第102回七栗リハビリテーションセミナー

日程

2017.1.13(金) を予定 講演 18:30-20:00

講師

内山量史先生(春日居サイバーナイフ・リハビリ病院 日本言語聴覚士協会副会長)

演題名

地域包括ケアに向けてリハ専門職に求められること - 脳・脊椎疾患等への山梨県での取り組み

講演内容

 地域包括ケアシステムに必要な内容としては、1.医療が必要な高齢者や重度の要介護高齢者についても、可能な限り在宅で生活できるよう支える仕組み、2.一人暮らし高齢者や、虚弱な長寿高齢者を在宅で支える仕組み、3.認知症高齢者を在宅で支える仕組み、4.入院しても、円滑に退院が可能となる仕組み、5.在宅での看取りができる仕組み、6.利用者や家族のQOLの確保ができる仕組みなどが挙げられる。
 山梨県は、過去には「健康寿命日本一」になった県であり、その背景には、無尽に代表される社会的ネットワークが貢献している。しかし、昨年、65歳以上の高齢者の人口比率が約25%となり、介護サービスに支払われた保険給付額は、10年前の2.4倍に膨らんだ。言語聴覚士による地域支援については、マンパワーの不足や施設の方針等により十分なサービス提供がなされていない状況にあった。平成23年、行政や関連団体との連携により介護予防事業の一端として山梨県言語聴覚士会による健康長寿体操の作製と普及という役割を担うことができた。体操作製にあたっては、同県の理学療法士会、作業療法士会との合同(3士会
)事業として取り組み、一年後DVDやリーフレットの完成とともに県民にお披露目するに至った。その頃より、3士会による意見交換会の開始、リハビリテーション専門職合同学術大会も3年毎に開催するなど、合同事業が活性化された。また、県立図書館へリハビリに関連する書籍の寄贈をすることで、一般の方への普及活動にも努めている。平成24年、山梨県と医療施設および3士会との契約によりPTOTSTバンクという地域派遣システムを構築し、介護予防事業への指導・助言、地域ケア会議での助言、介護予防の推進に資する事業への助言等を開始した。当初はその機能が十分に発揮されなかったが、広報活動の展開、人材育成、各施設の協力体制の整備等により徐々に普及した。平成27年、3士会での合同事業の促進や効率化を図り、県民の健康および医療・福祉・介護の増進に寄与することを目的に山梨県リハビリ専門職団体協議会を設立した。
 職能団体として提供できるサービスや事業を行政や関連団体に発信し連携を図ることで、継続的な地域支援活動が展開できるものと考えられた。


会場

三重県総合文化センター

2017.1.13