講師 千住秀明 先生 (長崎大学医学部保健学科 理学療法学教授)
講演内容 呼吸リハビリテーションからみた障害者の呼吸管理 - 排痰法、呼吸訓練、呼吸介助法の実際
◆ 千住先生の講演は非常に説得力のあるものでした。それは、自分たちが行うリハビリにエビデンスが無ければ発展しない、という信念に基づき、研鑽を重ねられたためと思われました。
◆ 呼吸リハが有効である呼吸障害と無効であるケースとの説明から始まりました。呼吸リハビリテーションではがんばらせてはいけないのだ、楽になるから、呼吸状態が辛い時こそ療法士に来て欲しいと本人から頼まれるような治療をしなければならない、という説明がとても印象的でした。
◆ また、聴診の重要性が強調されました。自分のした排痰法が効果的であれば、すぐ聴診所見が変わる、というわけです。「1500円の聴診器で聞いても、1500円、1500円としか聞こえない」というくだりでは皆が爆笑・納得でした。千住先生のご経験では1万円以上のもので、できれば平たいタイプが背臥位の背部にも差し入れられてよい、とのことでした。排痰はケチャップを瓶を逆さにして出すようなものなので、振動させるのだというのも妙に印象的でありました。
◆ 実際に、聴診、呼吸補助を治療台の上で実践して戴きました。ビデオで拡大して会場の皆様には見て戴きました。
◆ 質疑の中で、肺理学寮法としては「個別」をとれないが、全身として対応する呼吸リハビリテーションを行っていれば、「複雑」で申請可能であり、それでも保険が通らなかった場合は、日本呼吸管理学会から保険点数に関する説明文書を貰えるのでそれを添付すればよい、という貴重な情報も戴きました。
◆ 聴衆の方からは、自分の病院にもう一度来て戴きたいとの感想を多く聞きました。今回来なかった皆さんは、大変損をしたと思いますよ。これからも千住先生に負けない評判をもらえる講師の方をお迎えしたいと考えています。
実は、このセミナーの翌日、七栗サナトリウムで再度、千住先生の実践講座をお願いしていました。その様子は、ここをクリックしてご覧下さい。非公開でごめんなさい。
2003.4.20 Shigeru S.