講師 大浦武彦 先生
日本褥創医学会会長、褥創・創傷治癒研究所所長、北海道大学名誉教授
講演内容 褥創とリハビリテーション
病的骨突出などの危険要因のお話から始まり、危険因子の程度を評価することの大切さを教えて頂きました。危険因子の程度によりマットレスも選ばれるわけです。治療効果も最初の状態を合わせて比較しないと正しく理解できないとの主張ももっともなことでした。
ベッドの上げ下げで起こる残留ずれ力、どのようにずれるのかを予測する必要も強調されました。創収縮も強調されました。浅い潰瘍には被覆材による湿潤環境で良くなりますが、浅くても再発例は瘢痕があるから上皮が形成しにくく、創収縮がしにくく治りにくいわけです。同じ理屈で膝の拘縮の凸部に褥創が出来ると、その部分の皮膚には創が広がる方向に引かれているために創収縮がしにくく治りにくいことになります。瘢痕の取り方も教えて頂きました。
リハビリテーションは危険要因を減らすために必要です。その時同時に、褥創を悪化しないようなリハビリテーション(訓練や車椅子乗車)を考えないといけません。車椅子で座位がずっこけたときの座圧とずれ力の増大も想像以上のものでした。
会場 三重県総合文化センター
2005.3.20 SS