講師 内山 靖 先生
群馬大学大学医学系研究科保健学専攻 教授
講演内容 「姿勢調節障害のリハビリテーション」
姿勢調節障害は、リハビリテーション医療の現場で非常によく見受けられる現象です。姿勢調節障害の背景には、非常に多くの変数が相互的に関与しており、その分析や介入方法は非常に難しい課題になります。今回の講演では、姿勢分析に必要な動作水準、課題分類、スキル等の12個の視点と、運動学習、自己効力感、自己管理能力を配慮した介入を提唱していただき、考え方から具体的な介入方法に至るまで、非常に丁寧に説明していただきました。
講演では、安全性や安定性のみではなく、安楽性にも着目されておりました。動作の安全性に目を奪われがちですが、いかに楽に動作を遂行できるかという安楽性への介入が重要であるというお話は、非常に印象的でした。また、トランスファー時の立ち上がる前に浅く腰掛けるという準備動作の不足が、トランスファー困難の原因となるケースを例に挙げ、運動過程の習熟であるprocess skillsの重要性を説いておられました。普段はmotor skillsに注目しがちですが、process skillsの獲得にもより積極的に介入して行く必要があります。
2006.12.4 SS