講師 藤原俊之 先生
講演内容 脳卒中片麻痺の上肢機能障害への新たなアプローチ
脳卒中になった上肢がどのように改善するかから話が始まりました。脳卒中機能評価法SIASのFinger functionが3以上であれば上肢の実用度が高まる場合の多いことが示されました。
電気刺激と随意運動の組み合わせでの効果増強の文献の提示、その後Finger functionが2以下の慢性期患者をどうするかに話が進みました。手関節固定装具をつけることで、麻痺側手指伸展運動時の筋電図にて、屈筋のovershootが取れて伸展しやすくなる実例を見せて貰いました。
筋電図をトリガーとした麻痺側上肢からの電気刺激を行う(IVES: integrated volitional electrical stimulation)器械が紹介され、手関節固定も加えたシステム(HANDS: hybrid assistive neuromuscular dynamic stimulation)の効果が披露されました。屈筋と伸筋のco-contractionが減り、相反性抑制で調べた脳の興奮性が収まったという結果です。この器械は夏には市販されるようです。
質疑の時間には、臨床場面での応用や、麻痺が重度の場合などが問われました。
会場 三重県文化センター
2007.5.18 SS