講師 片田圭一先生
石川県立中央病院
演題名 糖尿病の運動療法
講演内容
会場 三重県総合文化センター
講演内容
890万人の糖尿病が強く疑われる人がいる現在、糖尿病への対応は重要事項であることから話が始まりました。糖尿病の病態をわかりやすくご説明いただいた後、運動に焦点が移っていきました。運動療法には急性効果とトレーニング効果があること、運動の目的がインスリン抵抗性の改善であることが示されました。運動指導の流れとしては、オリエンテーション(目的・効果・運動方法の説明)、軽い運動をしながらの問診(自覚症状・運動習慣・生活環境・生活スケジュール等)、運動機能評価、運動実施とのことです。運動の種類の説明もありました。筋肉のリズミカルな収縮運動で、「楽」「ややきつい」強度がよいそうです。筋への糖の取込は運動開始後10分以上で有意に上昇するので急性効果で血糖値を下げるために、運動持続時間は10分以上がよいとのことです。前後の3分以上、準備運動・整理運動が必要で、それは体の歯車が定常化するのに3分以上かかるからだそうです。食後1-1.5時間に運動して、急性効果とトレーニング効果を合わせ、患者さんに効果を実感して貰うとのことです。結局1日20分の持続運動または1万歩を目安にします。食べた量を早めの歩きで何分で消費できるかのクイズもありました。ご飯一杯が40分などでした。動機づけなどにも触れていました。良好な関節可動域、姿勢で運動して貰うことも大切です。健康行動理論・変化ステージにより教育のしかたを説明して貰いました。
2009.1.11 SS