日程
2010年4月9日(金) 講演 18:30-20:00
講師
光産業創世大学院 江田英雄准教授
演題名
脳活動を見る - 近赤外光脳機能イメージングとリハビリテーション
講演内容
非常にたくさんのスライドをご用意いただき、江田先生にNIRSの測定原理・脳研究に使われてきた歴史の詳細を解説していただきました。脳に一定の活動が起こると、5-10秒後に脳血流の増加が起きること、fMRIと同じく、NIRSの血流の変化を知ることによって、脳の活動が計測できることなどを最初のお話しいただきましたが、その中で近赤外光は生体を通過しやすく、X線とは異なり、透過した際の映像をCCDカメラで写すと骨ではなく血管がきれいに写る写真を見せていただいたのが特に印象的でした。1977年のJobsisの知見から始まり、これまでNIRSが生体計測に応用されてきた歴史に触れられ、他の脳活動の計測方法(fMRI、脳波)など比較しての利点、特に計測機器が比較的安価でメンテナンスの費用も少ないこと、また他の計測法では困難な運動中の脳活動の計測が可能なことなどに関しても説明していただきました。最後に、透過する光の散乱に関して様々な研究が行われているが、まだ結論が出ていないこと、またこれが位置精度の大きな制約になっていると説明され、これらの利点・制約点を考慮しながら、研究を進める必要性を強調されました。