日程
2011年1月7日(金) 講演 18:30-20:00
講師
廣瀬雄一先生 藤田保健衛生大学医学部脳神経外科学講座 教授
演題名
悪性脳腫瘍に対する治療の進歩とQOL維持
講演内容
伝統ある藤田保健衛生大学医学部脳神経外科を昨年度引き継ぎ主宰されている廣瀬先生は悪性脳腫瘍がご専門です。その脳腫瘍についてとても平易に解説戴きました。 挟まれていた症例がとても印象的でした。
「退形成」など脳腫瘍の名前のつけ方から始まり、グリオーマはGradeが進んでいく(悪性に向かう)という特徴があることを教えて戴きました。テモゾロミドという経口薬が血管脳関門を通過できるという特徴もあり、主に使われているそうです。それに放射線治療が加えられます。しかし放射線による脳障害も起こってきます。それに対し、薬剤感受性の高い腫瘍を選んで投薬して、放射線量を減らしたり照射域を縮小するという考え方になってきているようです。ガンマナイフのことも教えて貰いました。また、乏突起神経膠腫で遺伝子の特徴として-1p/19qであると化学療法が効きやすいなどの証拠があるそうです。また悪性脳腫瘍の遺伝学的分類は病理診断と食い違う部分があるようです。最近のトピックスも教えて貰いました。MGMTという蛋白がDNAを修復するそうです。それでMGMTが発現していると化学療法が効きにくいということになります。IDH1遺伝子の異常があるほうが生存率が高いそうです。
会場