第92回七栗リハビリテーションセミナー

日程

2015.4.17(金) 講演 18:30-20:00

講師

橋本茂樹先生 (札幌西円山病院リハビリテーションセンター長) 

演題名

超高齢社会でのまち(地域)作りにおけるリハの重要性
-地域包括ケアシステム構築のために回復期リハ病棟が果たす役割-

講演内容

 今回は、札幌西円山病院リハビリテーションセンター長の橋本茂樹先生に、超高齢社会でのまち(地域)作りにおけるリハの重要性について、ご講演いただきました。
 これから高齢化のさらなる進展により、後期高齢者の増加、認知症高齢者の増加、介護保険等社会保障費の増加、高齢者の核家族化、現役就労者の減少等の問題が考えられる。
 その中で、平成27年の介護報酬改定のポイントは、医療的リハを短期集中での卒業、くらし・ヒトの視点を強化、在宅生活の質を上げるためのリハ・ケアの重要視、在宅系のリハケア連携を重要視、認知症・摂食嚥下対策の強化があげられる。すべては、団塊世代が75歳に到達する2025年問題を乗り切るための施策であると考えられる。これらの問題に対して、地域包括ケアシステムが提唱された。このシステムは、地域の実情に応じて、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、その有する能力に応じ自立した日常生活を営む事ができるように医療、介護、介護予防、住まい及び自立した日常生活への支援が包括的に確保される体制である。
 講師の所属する病院では、回復期を退院し住み慣れた地域で、目的のある生活にソフトランディングできるように、回復期リハを終えた方々に入院中に関わったセラピストが訪問リハを行ったり、退院後電話による栄養指導、退院1ヶ月後にケアマネに調査表を送付、回復期のリハ医による訪問診療などを積極的に行っている。また、認知症カフェの開催、訪問してVE(嚥下内視鏡)検査の実施なども行っている。
 これら以外に、地域での生活を支える力は、公助(一般財源による福祉事業)、共助(介護保険など社会保険制度)、互助(ボランティア、住民組織)はもちろんだが、プロボノ(Pro bono:各分野の専門家が、職業上持っている知識・スキルや経験を活かして社会貢献する活動)や退職した医療関係者の活動が非常に重要になると考えられる。

 

会場

三重県総合文化センター

2015.4.20