第96回七栗リハビリテーションセミナー

日程

2016.1.6(水) を予定 講演 18:30-20:00

講師

宮田昌司 先生(日本訪問リハビリテーション協会 会長) 

演題名

地域包括ケアで求められる訪問リハの有用性とサービス間連携

講演内容

 本日は、宮田昌司先生に地域包括ケアで求められる訪問リハの有用性とサービス間連携について、分かりやすくお話していただきました。訪問リハビリとは「理学療法士や作業療法士、言語療法士などが居宅に訪問し、障がいの評価や機能訓練・ADL訓練、住環境整備、専門的助言指導などを実施することで、日常生活の自立や主体性のあるその人らしい生活の再建及び質の向上を促す活動の総称」である。この活動は、地域におけるリハビリの一翼を担うもので、常にその対象者の生活支援に関わる家族や専門スタッフと積極的に連携を取りつつ行われるべきである。現在、訪問リハビリを提供している1 施設あたりの平均利用者数は94.8名、8割ほどが介護保険を使用している。訪問実績では、昨年までは60分利用が多かったが、最近では40分利用が増えている傾向にある。
 急性期や回復期を終えた生活期リハビリでは1)ソフトランディング機能(退院後の在宅生活の安定化支援)、2)メンテナンス機能(モニタリングと評価・急性増悪へアプローチ)、3)活動と参加支援機能(その人らしい生活の再構築と援助)、4)人としての尊厳を全うする事を援助する機能(終末期リハ対応)の4つの役割が求められる。それらを達成する為に訪問リハビリでは、生活場面において心身機能の改善を行うこと、生活環境と心身機能との関係調整を行うこと、生活活動の活性化と社会参加を促すこと、本人・家族や多職種へ評価・助言を伝え協働してリハビリを促進することが非常に大切であると考えられている。
 訪問リハビリにも限界は存在する。例えば、資格制度的にできないこと、職種的に上手ではない事、介入方法の違いから情報を知りにくい事などが挙げられる。だからこそ、多職種での連携を図る必要がある。決して、自分一人(一職種)だけで解決することを目指さず、チームで目標達成する事を目指さなければならない。そのためには、急性期や回復期病院との連携を強化(縦の連携)することだけでなく、地域のかかりつけ医やケアマネージャー、訪問看護・介護、通所リハ、福祉用具業者との恊働(横の恊働)を強化する事が大切である。

 

会場

三重県総合文化センター

2016.1.8