藤田リハは七栗記念病院、藤田医科大学病院など多くの病院に数十名のリハ医を配しています。七栗でも2023.4.1現在9名のリハ医(うち専門医5名)が居ます。七栗記念病院は三重県リハビリテーション科専門研修プログラムの基幹病院でもあり、また他のプログラムの連携病院でもあるため、専攻医も3名います。この層の厚さがリハを学ぶ好環境の背景です。そして、2000年から週7日訓練などの特徴を持つFIT programという回復期リハ病棟にうってつけのリハシステムを運用し、コメディカルとの連動も万端なので、チーム医療のなかで鍛えられる側面もあります。
2023.4からのメンバー
教授: 園田 茂 准教授(連携リハビリテーション医学講座): 岡崎英人 講師: 水野志保、角田哲也 助教: 渡邉克章、赤塚 功 助手: 横手大輝、尾崎 仁、喜多堅太郎
回復期リハ病棟150床、脳卒中患者を中心に、脊髄損傷、神経筋疾患、大腿骨骨折など典型的リハ症例が常に多数入院しています。主治医としてこれらの患者を診て、どんどん経験が深まります。キャパがあれば年間100名の入院患者経験も可能ですし、実力に合わせた程よい受け持ち数にも出来ます。もちろん、専攻医など若手Drには指導医が付きますのでご安心を。
ボトックス外来: 脳卒中や脊髄損傷の患者さんに対し、適時ボトックス注射を行い、その後短期集中リハを行います。
ポリオ外来: ポリオ後の患者さんの相談に乗っています。適切な装具処方、ポリオ後症候群への対応などを行っています。
シーティングクリニック: よりよい姿勢で車椅子に乗れるよう、座面や背面などに工夫をしていきます。座圧、骨盤角度なども指標にします。
リハ医療といっても機能面から福祉面まで広い意味合いがあります。藤田リハでは、(運動)学習理論を中核とした科学的なリハを行います。運動学習の原則には難易度の調節や頻度、フィードバックなどがあります。スポーツや楽器演奏を上手に教えるのと同様にリハを行うわけです。患者さんの改善状況に合わせて難易度を調節しながらリハを進めていきます。その基礎には運動学(動く解剖学)があります。リハには認知に対応する面もありますので、(運動)学習と運動にカッコをつけて書きました。
1987年に開院し、当初からリハと緩和ケアに注力していました。2000年にリハビリテーション棟を新築して、訓練室一体型病棟を作り、回復期リハビリテーション病棟の運用を開始、2003年、2016年に回復期リハビリテーション病棟への病床変更を行い、計150床の回復期リハビリテーション病棟を持つに至りました。2016年には先進リハビリテーション棟を新築して訓練室を拡大しました。ともに働く療法士100名超の多くは藤田医科大学卒業のため、彼らは大学時代から藤田リハの考えるリハを学んできています。そのため、リハチームの皆が同じ方向を向きやすくなっています。看護師もじぶんたちがリハの主要メンバーと自覚して活躍してくれています。
七栗記念病院の活動は、七栗記念病院リハビリテーション部門のweb に詳しく掲載していますのでご覧下さい。
入院医療が中心となります。2022.4現在の日常臨床状況を以下に示します。
am | pm | 外来担当 | |
月 | 入院管理・新入院 | 嚥下検査 | 正木光子 |
火 | 入院管理・新入院・回診 | 装具外来・夕方勉強会 | 水野志保 |
水 | 入院管理・新入院 | 嚥下検査 | 角田哲也 |
木 | 入院管理・新入院 | 装具外来・ポリオ外来 | 岡崎英人 |
金 | 入院管理・新入院 | 入院管理 | 園田 茂 |
土 | 新入院ラウンド・入院管理 | 入院管理 | 横手大輝 |
嚥下造影は嚥下検査の時間枠で行い、嚥下内視鏡は適宜時間を作って行います。神経因性膀胱の患者さんも多いことから、膀胱内圧検査も造影と合わせよく実行します。筋電図検査もあります。入院管理の中で、筋緊張の高い患者さんに対して運動点ブロックを行ったり、ボトックス注射をしたりもします。外来で痙縮コントロールをする場合も多いため、今後痙縮外来を立ち上げていく方向です。リハに特化した内容のみならず、医師・主治医として投薬など病気のコントロールをして、急変があったときには対応します。患者さん・ご家族への説明もリハ医の大切な役割です。
大学ですので、診療・教育・研究を皆行っています。研究は臨床研究が殆どで、日頃の臨床中に疑問に思ったことを研究で詰めていく感じです。脳卒中帰結予測、ロボットリハビリテーション、動作解析、シーティング、痙縮の定量化などの研究を行っています。
リハ医学II講座は、藤田リハ部門の一翼です。藤田リハ部門には愛知県豊明市にある藤田医科大学病院を主体とするリハ医学I講座、保健衛生学部リハ学科(PT, OTを育てています)、四つの病院のリハ部(療法士の集団です)、連携リハ医学講座、ロボット技術活用地域リハ医学講座、RSH・AAT研究実証センターなどで構成されています。リハ医学I講座とは、ほぼ境なしに医師の異動を行えていますので、倍のサイズのポジションを持っているようなものですし、研修の幅がとても拡がります。部門内活動や対外活動もともに行っており、国内・国際交流が盛んです。
リハ部門医師の出身大学は多種多様です。藤田出身もそれなりにいますが、慶應、名大、弘前、女子医、秋田、三重大、名市大、獨協、大分、旭川、山口、浜医、昭和、滋賀、長崎、山梨 、.... 書き切れないほどの出身大学となっています。