三重県、青山高原の裾野、藤田学園の原点
25周年に寄せて
元リハビリテーション部 係長 永井将太
藤田保健衛生大学七栗サナトリウムが創立25周年を迎えられましたことに、関係者の皆様へ心よりお祝い申し上げます。
振り返りますと、私が平成7年に理学療法士としての第一歩を刻んだのが七栗サナトリウムでした。当時から「総合リハビリテーション施設」の認定を受けており、リハビリテーション専門医がいる県内有数のリハビリテーション病院でした。スタッフ数は10人でしたが、それでも当時は県内最大級の規模で、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の3職種がすべて揃っていたこともたいへん稀少でした。
このように当時からリハビリテーション文化が根付いていた七栗サナトリウムでしたが、2000年12月から大きな転機を迎えたのを今でも鮮明に覚えております。それは「統合された高頻度、高密度なリハビリテーション」をコンセプトとしたFull-time Integrated Treatment(FIT) programの実践です。当時は、土日祝日はリハビリテーションも休診が当たり前で、脳卒中で入院すると1年はざらに入院していた時代です。効率的なリハビリテーションの実践により、短い期間で高い効果を証明したFIT programは、当時ではまさに超最先端リハビリテーションでした。
私は、若輩の身でしたが、このプロジェクトのリーダーを任されました。誰もやったことがないことをやるわけですから、お手本がなく、職員の配置や診療のシステム作りでも、毎日遅くまで仲間と議論しました。長谷川昌士氏(現,四條畷学園大学)、奥山夕子氏(現,七栗サナトリウム課長)、國分実伸氏(同係長)、和田陽介氏(現,辻村外科病院)など多くの仲間と、新しいリハビリテーションを実践できたことは、今でも私の大きな財産であり、楽しい思い出となっております。
あれから10年以上経ちましたが、いまやリハビリテーションは365日、1日3時間やって当たり前の時代になりました。FIT programを考案し、その礎を築いて頂いた才藤栄一先生、金田嘉清先生や、実践の指揮をとっていただいた園田 茂先生をはじめとする諸先生の先見の明には、ただただ敬服の思いが増すばかりです。
今後も、医療・福祉分野は、険しい道が続くことが予測されますが、七栗サナトリウムの諸先生におかれましては、これまで同様に、最先端を歩いて頂き、患者様の幸福へ一層に貢献して頂く存在であることを、切に願ってやみません。