さらなる発展を願って

icon医学部 リハビリテーション科 講師 岡崎 英人 icon 

 藤田保健衛生大学七栗サナトリウムが25周年を迎えたことを心よりお祝い申しnakanishi上げます。
私は藤田学園の卒業生であり、七栗サナトリウムには大学入学時より縁があります。残念ながら現在ではなくなってしまいましたが、昔は入学すると必ずこの七栗の地を訪れ、大学の敷地内でキャンプを行い七栗記念研究所と病院見学を行うのが恒例行事でした。私も大学入学したばかりの時に七栗を訪れ病院を見学したことを鮮明に覚えています。当時、ホスピスを導入している病院は全国でも非常にまれで、ホスピスの見学が主だったことを覚えています。ただ大学入りたての頃はホスピスという言葉も知らず、ただ病棟を見学しただけでした。その後も病院実習などで七栗を訪れる機会もありましたが、卒業後まさか自分がここで長年勤めることになるとは夢にも思いませんでした。
 大学卒業後はリハビリテーション(リハビリ)医学講座に入局し、本学勤務を経て七栗へ赴任となりました。現在は病院本館、リハビリ棟、管理棟と3つの建物がありますが、私が入局した頃はまだ本館しか存在せず、スタッフの数も少なくこぢんまりした病院で、その時期に研修医として4ヶ月間七栗でお世話になりました。リハビリ科は梶原先生をトップに5名と少なく日々のルーチンワークに追われる日々の中で、諸先生方には多くのことを指導していただきました。特に研修医の指導担当であった馬場先生や清水先生には、仕事のみならずプライベートでも大変お世話になり、最も充実した研修の一つとなりました。
 その後、七栗は大きな転機を迎えることとなりました。七栗の特色の一つであるであるリハビリ棟の開設とFull-time integrated treatment program ( FIT )の開始です。2000年にリハビリ棟が開設、園田先生が本学より赴任されFITが始まりました。私も2001年の4月から七栗に赴任し、スタッフの一員として働き始めました。何事にも当てはまりますが、前例のないものを行うという事は多くの苦労がつきまとうものです。今でこそ七栗を参考にして週7日間のリハビリを行う施設は増えてきましたが、週7日間の訓練を行うこと、情報共有のためのデータベースや方法を構築していくことなど、ほとんど0からの開始でしたので当時のスタッフは本当に大変な思いをしていました。ただその努力がこれまでに無い治療成績を生み、今の七栗の礎の一つになったと思います。その後も七栗の変化は止まりませんでした。回復期の増床、東口先生が赴任されNutrition Support Team( NST )の立ち上げ、日本医療機能評価機構の認定、付加機能の認定取得、電子カルテの導入と毎年のように何らかの大きなイベントがあり、ここでは書ききれないない程の多くの思い出があります。このような変化の中で仕事を続けてこられたことは、大変貴重な体験で私自身を成長させる大事な糧にもなりました。
 この25周年を迎える年に、私は米国のジョンズホプキンス大学へ留学する機会を頂き、七栗から離れることになりました。米国と日本という文化の違いもありますが、改めて七栗が良い病院であることを実感しています。今後ともこの良さを継承しつつ前進し続けることを心より願っております。

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