三重県、青山高原の裾野、藤田学園の原点
開設25周年によせて
リハビリテーション部 課長 奥山 夕子
開設25周年を迎えるにあたり、まずは、これまで七栗サナトリウム発展のために多くのご支援とご貢献くださった先輩方と同輩に厚く御礼申し上げます。
現在、七栗サナトリウムは回復期リハビリテーション、緩和ケア、栄養サポートチームを核に専門性の高い病院へと発展して参りました。リハビリテーション部も理学療法士33名、作業療法士30名、言語聴覚士11名の総勢74名の部署に成長し、回復期リハビリテーション病棟を中心に、他科、デイケアを含む1日130〜140名のリハビリ需要に応えています。リハビリテーション目的の患者様は、診療報酬改訂とともに早期・重度化の傾向にあり、私たちは社会保障の変化にも柔軟に対応していくことが求められています。変わらないものは目の前にいる患者様を一人でも多く救うことであり、それを実現するために「最短で最高のリハビリ成果」でもって次へ繋げることがリハビリテーション部門の使命と思って日々努力しております。
七栗25年の歴史の中でリハビリテーション部門は2000年12月に大きな転機を迎えました。超高齢化社会の突入に伴い障害者数の増加が推測され、一人でも多くの患者を救うため、効率のよいリハビリテーションシステムの開発が急務とされました。藤田保健衛生大学リハビリテーション部門はその命題に応えるべく新しいリハビリテーションシステムとしてFull-time Integrated Treatment(FIT) programを開発しました。そのシステムのスピリットこそが「最短で最高のリハビリ成果」をあげることで今日の使命につながっています。24時間365日(Full-time)、緻密に統合された空間(Integrated)の中で行うリハビリ治療(Treatment)は、現在多くの病院が当たり前のように実践しているシステムですが、当時は日曜祝日の概念がなくなることや病棟とリハビリ室が統合されること、複数のスタッフが患者様の治療に携わることは皆無に近く画期的なことでした。私は、入職4年目にしてこの変遷に立ち会えることができ、プロジェクトリーダーである永井将太先生(現、金城大学)、長谷川昌士先生(現、四条畷学園大学)、川北美奈子看護長の下でシステムの成熟や効果検証の一端を担わせていただいたことに感謝しております。また、先輩方の熱い思いに必死について行き、喜びも苦労も共にしてきた同輩の和田陽介君(現、辻村外科病院)、現七栗サナトリウム係長の國分実伸さんは、今も回復期リハビリテーション病棟を支える同志として心強い存在になっています。
七栗開設25年、リハビリ変革11年を振り返ると、社会情勢もリハビリテーション医療のあり方も凄まじいスピードで変わってきています。常に先を見据えて進化し続けることを示して下さっている藤田リハ部門代表の才藤栄一先生、部門代表で当病院長の園田茂先生、恩師でいつでも我々療法士の味方で居て下さる金田嘉清先生に私たちはしっかりと付いていき一丸となって走り続けたいと思います。当部署には、回復期リハ病棟の10年戦士から、急性期リハの経験者、教員経験ならびに他病院でリーダーとして活躍してきたエキスパートまで様々な経歴と能力を持ったスタッフが揃っています。この最高の仲間が創りだす5年後、10年後の七栗サナトリウムを今後も温かくお見守りいただければ幸いです。私たちは皆様の期待に応えられるよう日々努力し続けることをお約束します。