特徴ある質の高い医療と良き運営の継承・発展を

icon 藤田学園 理事長 小野 雄一郎 icon 


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 この度、藤田保健衛生大学七栗サナトリウムが開設25周年を迎えましたことを学園の全教職員とともに祝したいと思います。また、園田病院長をはじめ七栗サナトリウムの発展に貢献して来られました関係者の方々に対し、衷心より感謝を申し上げます。
 七栗サナトリウムが誕生した1987年(昭和62年)のころは、七栗一帯をヘルス・リゾート化する七栗バーデン・バーデンの構想があり、その一環として、既設の生薬研究塾、学生キャンプ場、プール、学舎などからなる教育研究ゾーン、スポーツゾーンに続いて、療養ゾーンとしてサナトリウムが発足したことが本学園の記録に残されています。また、高齢化社会の到来を見通して、「医療と保健と安心立命の場」を建設するとの理想からホスピスや東洋医学ペインクリニックなどをサナトリウムに併設したことが、藤田総長が自ら書かれた文章の中にも見出されます。高齢者の人口がまだ国民の約10%であった当時に、その後のわが国の高齢化と寿命の延長に対処すべく、人々の長い人生を心身ともに支えるための病院建設を先見的に実行されたことに、私は敬服するとともに学ぶところが大であると感じております。
 今日の七栗サナトリウムでは、全国的にもご高名な園田病院長、東口副院長のご指導の下、専門性と科学的レベルの高いリハビリテーシヨン、緩和ケア、栄養サポート、老年医療など、全国のモデルとも言える特徴ある高齢化社会対応型の質の高い医療が進展しつつあり、病める方々の身体機能や人間性の保持・回復を支える取組み含む良き医療の伝統が継承されていると私は理解しております。全国には充実した分院の機能によって地域医療に多大な貢献している私立医科大学が少なくありません。本学におきましても、津市や松阪市、鈴鹿市などの地元だけではなく、三重県全域や県外からの多数の来院者を対象に地域に根付いた専門的医療を七栗サナトリウムが提供することで、大学病院分院としての大事な役割を果たすことができていると考えております。
今後、我が国の高齢化はさらに進んで、65歳以上の老年人口割合が25%を間もなく突破し、その後も30%を超えて21世紀の中盤には40%に達すると予測されています。このような将来には、DALYのような障害を調整した寿命の改善が人々の豊かな暮らしの必須要件として一層重視されるようになると思います。私は、七栗サナトリウムが長寿社会における人々の生命の質を高める先進的なモデル病院として、さらに輝きを増すことを願ってやみません。
 七栗サナトリウムは、緑の多い素晴らしい環境とともに、職員の方々が良くまとまっていて雰囲気が明るく温かいという印象を私は持っております。患者さん、特に緩和医療やリハビリテーションを要する患者さんにとって、このような職員の方々の雰囲気は特に大切だと思います。病院のこのような特徴は定量化しにくいかもしれませんが、これからも是非とも大事にして頂きたいと願っております。
 七栗サナトリウムの特徴ある医療と良き運営の継承・発展を期待いたしします。

 

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