2019.8.1(火) 17:15-18:15
真田弘美 先生 東京大学大学院医学系研究科教授 健康科学・看護学専攻老年看護学/創傷看護学分野 グローバルナーシングリサーチセンター長
ケアイノベーションー東大グローバルナーシングリサーチセンターの取り組み
今回ご講演頂いた真田先生の研究室では、我慢させない療養生活の実現、自己の苦難を訴えられない療養者のために新しいケア技術を確立することを目標に研究を進めている。また、ケアの中核を担う看護学が新たな分野を築く事が必要と考えられ、異分野融合型イノベーティブ看護学研究の推進を目指し、グローバルナーシングリサーチセンターの設立に携わられた。
今回のリハセミナーでは、臨床現場に立脚した新しい形の看護研究フレームである看護理工学、すなわち人々の健康、疾病に関する療養生活の支援を目的として、患者と直接的に長時間接する看護の視点を重視した研究と、新たな技術開発を行う学問領域の考え方をもとにお話しして頂くとともに、若手研究者とともに実施した最先端研究結果、学問体系・教育体系の開発にも内容は及んだ。
講演内容では主に真田先生のご専門である褥瘡について、その予測、予防、診断、治療技術や機器の開発のためにビッグデータ、バイオデータ、イメージングデータを用いた研究結果に関する内容であった。
機械学習による疾患の予後予測、AIによる疾患の早期発見方法など、医療ビッグデータの利活用が進んでいる。看護領域でも、日々日常的に蓄積されている診療データから、褥瘡発生リスクを自動的に評価するための評価法の開発されている。
バイオデータでは、生理学的皮膚状態を評価するための非侵襲的技術として、スキンブロッティング法の内容、イメージングデータでは、便秘・ストマ、足潰瘍、誤嚥、点滴、褥瘡などを可視化するために、エコープロジェクトの内容をお話しして頂いた。可視化をすることは、インシデントの減少にも繋がる、非常に有意義な技術であった。
最後に技術を進歩させる3つの条件として、「よそ者」「若者」「馬鹿者」が挙げられるそうです。当院でも患者さんのために本当に必要なことを常に考え、上記の3つの条件に当てはまって、新たな知見を発信していけるように、研鑽していきたいと思います。
藤田医科大学七栗記念病院 七栗記念ホール
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