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第117回七栗リハビリテーションセミナー

日程

2019.11.14(木) 18:20-19:50

講師

田沼明 先生  順天堂大学医学部附属静岡病院リハビリテーション科准教授

演題名

がんリハビリテーションの基礎と最新動向

講演内容

 進行がんに対するリハビリテーション・社会復帰支援を中心にわかりやくすお話をして頂いた。

 年々がん患者は増えてきている一方で治療技術が向上したことによるがん生存者も増加している。そのため、がん患者におけるQOLの向上を目的にがんのリハビリテーションが求められている。
 がん患者は治療の有害事象や悪液質により廃用症候群が生じやすく、それにより活動性が低下するとがん治療ができなくなり命に関わることもある。また、がん関連疲労をCRFといい化学療法や放射線治療を受けている患者の80%に認められる。さらに治療終了後5年以上経過しても33%に認められる。これらの症状に対するリハビリにエネルギー温存活動療法や運動療法がある。運動療法に関して多くの文献で筋力・持久力・QOL・倦怠感・免疫機能の改善が報告されているが、強度の高い運動を設定していることが多く自主練習が難しい。そのため今後は高齢者に対しても有効かつ実施可能な強度の高すぎない運動療法の確立が必要とされており、現在、NEXTAC試験などが進められている。

 進行がんでは骨転移も多く認められている。病的骨折の対応として、生命予後が短い場合、固定性は劣るが低侵襲の治療、生命予後が長い場合は高侵襲でも固定性の高い治療が重視されている。

 がん患者の社会復帰について、妨げになっている要因に症状の見込み・体調・障害そのものが「わかりにくい」という特徴が挙げられる。2003年と2013年で就業状況を比較するとほとんど進歩していない状態である。現状では医療機関のリハビリテーションスタッフが長期間支えることが困難である。そのため、医療者は治療の見込み、症状の変化の見込み、本人の希望と身体・精神的な機能の適合性の評価、目標に向けたプラン等を、本人や支援に携わる人々に情報提供して「わかりにくさ」の排除を行っていくことが求められる。

 

会場

三重県総合文化センター

〒514-0061 津市一身田町上津部田1234

<2019.11.16> 

                                                                  

 

    

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