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第118回七栗リハビリテーションセミナー

日程

2020.9.7(月) 17:30-19:00

講師

百崎 良 先生  三重大学大学院医学系研究科リハビリテーション部医学分野 教授

演題名

誤嚥性肺炎のリハビリテーション

講演内容

 近年、人口の高齢化に伴い肺炎による死亡者数が増加し続けている。高齢誤嚥性肺炎のほとんどは加齢に伴う嚥下機能低下の増悪によって生じる「サルコペニア肺炎」とも呼ぶべき病態であるという。
今回は、誤嚥性肺炎後の適切なリハビリテーションや摂食機能療法についてわかりやすくお話しして頂いた。

 急性期病院の70%以上をカバーする診療データベースを用いて誤嚥性肺炎に関する検討を行ったところ、早期離床、早期経口摂取の2つが誤嚥性肺炎後の経口摂取自立に関与している事が分かった。

 高齢誤嚥性肺炎に対する安静臥床はサルコペニアの嚥下障害を増悪させる。
 早期離床が意識障害やせん妄を改善させること、座位をとることで閉口しやすくなり、口腔環境の悪化を予防できること、頸部の嚥下関連筋群が賦活されること、離床訓練により経口摂取のための姿勢保持能力が獲得される。

 嚥性肺炎入院患者はもともとの嚥下障害を有することが多く、低栄養・低体重を有する高齢者が多いため栄養状態、口腔衛生状態が経口摂取予後に影響を与える可能性がある。また高齢者では多剤併用している患者も多く、ベンゾジアゼピン系や抗コリン系の薬剤は口腔内乾燥を悪化させる可能性もあり、薬剤の見直しも必要である。
 運動療法や摂食機能療法に加えて、NST・管理栄養士・歯科衛生士・薬剤師の早期介入など多職種連携が重要である。

 誤嚥性肺炎入院に伴う安静管理、絶食管理、消極的栄養管理は、サルコペニアの嚥下障害を医原性に増悪させる可能性がある。誤嚥性肺炎患者に必要なのは早期離床、早期経口摂取、適切な栄養管理であるが、適切なリハビリテーションや摂食機能療法の提供体制には施設間格差が大きいため、まだまだ改善の余地が残されている。

 

会場

藤田医科大学七栗記念病院 記念ホール

津市大鳥町424-1

<2020.9.13> 

                                                                  

 

    

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