セミナートップ  今後の予定  過去の一覧  会則について 

第124七栗リハビリテーションセミナー

日程

2023.2.7(火) 18:00-19:30

講師

松永 俊樹 先生(安曇野赤十字病院 リハビリテーション科 部長) 

演題名

機能的電気刺激(FES)による麻痺肢治療

講演内容

 現在,臨床では,電気刺激を利用したリハビリテーションが多く実践されている.脳卒中ガイドラインでは,「中等度の麻痺筋への電気刺激(グレードB)や肩の亜脱臼の対しての電気刺激(推奨度B)」とされている.リハビリテーションの現場で使用する電気刺激には,治療的電気刺激(TES)と機能的電気刺激(FES)が主に用いられている.今回は,FESの麻痺肢治療について分かりやすくお話をいただいたので,以下に要旨をまとめる.

 

 FESは,脳卒中や脊髄損傷などにより損なわれた上下肢運動機能に対し,電気刺激を用いて各々の麻痺筋を収縮させ,合目的動作を再建する先端医療であり,脳卒中や脊髄損傷等による片麻痺・四肢麻痺・対麻痺などの機能再建に有用である.FESでは,表面電極と埋め込み電極が用いられるが.埋め込み電極は,感染リスクなどの観点から使用頻度は少なく,多くは表面電極を使用している.我が国では,薬事認可を受けた主なFES装置として,NESS H200®・L300™,ウォークエイド®などがある.NESS H200は中枢神経障害による手指屈曲伸展困難の把持機能再建が可能である.最近は,コントロールユニットと装具型刺激装置本体がワイヤレス化されたNESS H200®が使用可能になった.NESS L300™は,中枢神経障害による下垂足・尖足歩行の実用的再建が可能であり,最も臨床実績が多いFES機器であり,令和2年より運動量増加機器加算の対象機器となっている。

 近年,リハビリテーション分野では,ロボットに代表される先進機器による四肢運動機能再建や歩行再建が目覚ましい勢いで進んでいる.FESは,ロボットなど他の先進機器と併用が可能であり,新たな治療法の開発が期待されている.また,FESとリハビリテーションロボット歩行練習の展開として脊髄再生治療との併用が行われている.秋田大学では,FESとロボットを組み合わせた新しい歩行訓練ロボットと脊髄損傷治療が開始されている.

 

会場

藤田医科大学七栗記念病院 七栗記念ホール(オンライン形式)

〒514-1295 津市大鳥町424−1

<2023.2.28> 

                                                                  

 

    

↑ PAGE TOP