2024.10.4(金) 19:00-19:40 学生向け オンラインセミナー形式
講演1:永井 亜矢子先生(藤田医科大学七栗記念病院 リハビリテーション部 主任)
講演2:赤塚 功先生(藤田医科大学リハビリテーション医学講座 助教)
講演1:明日から使える! 失語症患者さんとの実用的なコミュニケーション
─ 言語の専門家 言語聴覚士が大切にしていること─
講演2:今こそ知りたい! リハビリテーション栄養のポイントとなる視点
講演1:明日から使える! 失語症患者さんとの実用的なコミュニケーション ─ 言語の専門家 言語聴覚士が大切にしていること─
若手医療従事者や学生は失語症患者さんについて、書籍や授業で多くのことを学んでいる。しかし、実際に患者さんとコミュニケーションをとる時には戸惑ってしまうことも多い。今回は臨床現場での実践的なコツを中心に講義したため、以下に要旨をまとめる。
1. 心構え
失語症患者さんとの会話では、ノンバーバルコミュニケーションが大切であり、笑顔や柔らかい口調、頻繁なリアクションにいつも以上に気を配る必要がある。また、やりとりがうまくいかないと落ち込む医療従事者は多いが、抵抗感をもたないようにしたい。その場合は、コミュニケーションの語源である『共有』を意識し、内容だけでなく気持ちや時間を共有することにも注目すると良い。
2.患者に伝えるコツ
要約筆記を積極的に活用していくことが推奨される。ただし、単なる筆談にならないように、情報を簡潔にまとめること、行間をあけて視認性を高めること、イラストを用いることに配慮したい。また、患者さんが頷いているからといって理解しているとは限らないため、確認を十分に行いながら話を進めることが重要である。
3.患者の話を聞くポイント
患者さんが言葉につまった場合は、適宜Yes-Noや選択肢で答えられる質問をしながら会話を進めていく。また、レベルに合わせて非言語ツールの使用を促すが、その使
講演2:今こそ知りたい! リハビリテーション栄養のポイントとなる視点
リハビリテーションをする上で患者の栄養状態を改善することは帰結の改善につながる。今回は、リハビリテーション栄養をテーマに栄養の重要性,診療報酬の動向,臨床での栄養介入の仕方を講義したので以下に要旨をまとめる。
栄養と運動は身近なものであり,主にたんぱく質と運動トレーニングを合わせて行うことで筋肉量・筋力が増大しやすいとされる.リハビリテーションでも同様に,栄養と運動は密接に関わっている.一方で,問題となるのは急性期から回復期に移行するまでにサルコペニア患者が急増し,低栄養患者の栄養状態をいかに改善させるかがリハビリテーション栄養の課題の一つである.
過去研究では低栄養患者に栄養介入を行うとリハビリテーションの帰結が改善することが報告されはじめ,診療報酬改定の動向からも栄養状態への注目が集まっていることを感じる.当院では少量でも高エネルギー,高タンパク質が摂取できるコンパクト食を開発し,いかにして栄養を摂取しやすくするのかという課題への取り組みを行なっている.低栄養の状態下でのリハビリテーションを行う際に注意するべきは,栄養が不十分な状態で高強度の運動をすると筋肉を溶かしてエネルギーにしてしまう蛋白異化が存在することである.解決策として筋力や筋量を測定しながら運動負荷を調整しつつ,栄養摂取量の確保を行なっていくことが大事である.
リハビリテーション分野における栄養はまだ未開拓な部分が広がっており,わからないことも少なくない.臨床と研究を進めていき,リハビリテーションの結果をよりよくする栄養を求めていきたい.
(左より)赤塚功先生、冨田早紀座長、永井亜矢子先生
藤田医科大学七栗記念病院 七栗記念ホール(オンライン形式)
〒514-1295 津市大鳥町424−1
<2024.10.19>