セミナートップ  今後の予定  過去の一覧  会則について 

第127七栗リハビリテーションセミナー

日程

2025.12.12(金) 19:00-19:40    学生向け オンラインセミナー形式

講師

講演1:山路千明先生(藤田医科大学七栗記念病院 リハビリテーション部 副主任)

講演2:宮坂裕之先生(藤田医科大学七栗記念病院 リハビリテーション部 課長)

演題名

講演1:音楽が「ことば」を呼び覚ます!
                   - MITを用いた言語聴覚療法の最前線 -

講演2:"動かす"から"使いこなす"へ
                  - 上肢練習支援ロボットと臨床実践 -

講演内容

講演1:音楽が「ことば」を呼び覚ます!- MITを用いた言語聴覚療法の最前線 -

 Melodic Intonation Therapy(MIT)は、失語症に対する訓練法の一つであり、特に非流暢性発話の改善に有効とされている。失語症は主に脳血管疾患などによって左半球の言語野が損傷されることで生じ、発話やコミュニ ケーションに大きな制限をもたらす。一方で、重度の失語症例においても歌唱が可能な患者が存在することは臨床でしばしば経験され、その背景には右半球の音楽処理機能の関与が示唆されている。MITは、イントネーション に合わせたリズムやメロディ、さらに左手への感覚刺激を用いることで右半球を活性化し、左右半球の協働によって発話の負担を軽減する新たな発話ストラテジーの構築を目指す治療法である。

 本セミナーでは、MITの理論的背景と神経学的メカニズムを概説するとともに、日本語版MIT(MIT-J)が抱え る課題にも触れ、日本語の韻律特性に即した治療法の確立や、研究と臨床を結びつける重要性について考察した。さらに実際の症例を通してMITの効果と可能性を示し、大学病院における言語聴覚士の役割を通じて、臨床・研究・教育が連動する言語聴覚療法の未来像を提示した。

 

講演2:"動かす"から"使いこなす"へ - 上肢練習支援ロボットと臨床実践 -

 脳卒中患者の上肢麻痺のリハビリテーションとして、臨床導入が進んでいる上肢練習支援ロボット(上肢ロボット)は、これまでに無作為比較試験やメタアナリシスが行われ、多くの報告で麻痺改善に効果があると報告されている。また、我が国の脳卒中ガイドラインにおいても上肢麻痺治療の一手法として推奨度が高く、“使いこなす”ことで得られる利益は大きいと考えられる。臨床では、麻痺の重症度と目的により上肢ロボットを使い分け、運動学習の要素を踏まえた治療戦術を考える必要がある。

 上肢ロボットの多くは、運動学習の要素が随所に利用されている。例えば、運動学習の成立には十分な練習量の確保が不可欠だが、単純な運動の反復はモチベーションの低下を招きやすい。これに対して、上肢ロボットはゲーム性を持たせた課題や、成績の視覚化などの外的フィードバックを通じて、患者の意欲を高めながら反復練習の継続を可能にしている。また、ロボットによるアシストや運動範囲の設定は、課題の難易度設定において重要な役割を担う。特に重度・中等度麻痺患者では最適なアシストを加え、さらに動く範囲を単純化して課題を容易にすることが重要である。

 本セミナーのまとめとして、上肢ロボットを使用する療法士に対し、上肢ロボットに触れ経験値を増やすこと、経験値が増えることで搭載されている機能・パラメータを理解でき、コツが掴めることを提案した。

(左より)宮坂裕之先生、山路千明先生、渡邉誠座長

 

会場

藤田医科大学七栗記念病院 七栗記念ホール(オンライン形式)

〒514-1295 津市大鳥町424−1

<2026.1.16> 

                                                                  

 

    

↑ PAGE TOP